業務用・家庭用エアコンから水漏れ!?どう対応すればいい?  

皆さんこんにちは。大阪・東京・中四国に拠点を置き全国の空調設備のメンテナンス及び工事を請け負っている英和商工株式会社です。


業務用・家庭用エアコンの故障や不具合に関するトラブルの中でも特に多いのが水漏れです。エアコンからポタポタと水が垂れているときには放置せず、早めに対処しましょう。

この記事ではエアコンの水漏れが起きたときの対処法について解説していきます。




■エアコンの水漏れが起きているときに考えられる原因



エアコンが水漏れを起こしている場合には、以下のような原因が考えられます。


・ドレンホースが詰まった


ドレンホースとは、エアコンの室内機から屋外、または排水管に接続されている配管のことで、温度調整の際に熱交換器に付着する結露を外に放出する役割をもっています。エアコンの水漏れの原因のほとんどが、ドレンホースの詰まりです。


主に、ドレンホースの穴からゴミや虫が入り込んだり、水分と一緒にホコリが排出されたりすると詰まってしまうことなどの理由が挙げられます。ドレンホースが詰まると、結露水が外に排出されません。そのため、エアコン内部に溜まった水分の受け皿であるドレンパンの容量を超えてしまい、水漏れが発生します。


・ドレン配管の勾配が甘い


エアコンの据付時に、最低でも1mで1cmの下り勾配を取る必要があります。まれに配管の支持が外れてしまって逆勾配になっているなどのケースもありますので、ドレンの隠蔽部分は後の手直しもできるよう、点検口があるとよいでしょう。


・業務用エアコン内部の不具合・故障


経年劣化によって、業務用エアコンのドレンアップメカの不具合やドレンパンの破損が起こることも水漏れの原因の一つです。


エアコン内部で発生した水分を外に排水するために使用されるドレンアップメカが正常に作動できていないほか、エアコン内部に設置されているドレンパンの破損やエアコン内の熱交換器の故障など、不具合によって、発生した水分をスムーズに外に放出できなくなることがあります。


これらの問題を防ぐためには、エアコンの定期的な点検と保守が大切です。エアコンのメーカー、または専門業者へ定期的な点検とメンテナンスを依頼しましょう。部品の劣化や不具合を早急に発見することで、修理や交換を行うことができ、水漏れのリスクを軽減できます。


・室内機が傾いている


家庭用エアコンの室内機が傾いていることで内部の水を溜めるドレンパンも傾いてしまい、正常に水を溜められなくなっていることが考えられます。


通常、家庭用の室内機は壁や天井に取り付けられていますが、長い期間の使用や外部要因によって、機器の重力に耐えられず傾いてしまうことも少なくありません。傾きがあることでドレンパンから水が溢れてしまい、水漏れを引き起こしてしまうのです。


・冷媒ガスが少ない


エアコンの冷媒ガスは、熱交換を効率的に行うために不可欠な要素です。冷媒ガスが不足すると熱交換はスムーズに行われず、エアコンの冷却効果が低下しかねません。結果、熱交換器に結露が発生してしまい、エアコン内部に蓄積されてしまいます。外に排出されないと水漏れの原因となるため、注意しましょう。

・雨水が入っている


エアコン内部の水分だけでなく、ドレンホースをつたって外から雨水が室内に入り込むことで水漏れが発生するケースもあります。ドレンホースは室内機から水分を排出するための管であり、その一部に保護テープが巻かれているのですが、劣化するとテープの隙間から雨水が入ってしまい、ドレンホースに沿って室内に侵入してくることがあるのです。


室内機よりも室外機のほうが高い場所にあると起こりやすい現象で、雨の日にだけ水漏れする場合は、ドレンホースの保護テープの劣化を疑ってみてください。

・建造物の建材の影響


締め切った気密性の高い建物で換気扇を回すと、室内よりも屋外の気圧が高くなります。その結果、空気が気圧の高い屋外から気圧の低い室内に流れ込み、結露水の外への排出が妨げられてしまう点に注意しましょう。


室内と屋外に気圧差が生まれると、エアコンからポコポコという音が聞こえてきます。対処方法としては、換気扇の風量を調整したり、窓や換気口を開けて室内外の気圧を均衡にしたりすることが有効です。


気圧差による結露水の逆流を防ぎ、業務用エアコンを使用する際には快適な室内環境を維持しましょう。



■エアコンの水漏れを放置することで生じるデメリット



エアコンから水漏れが起きていても、エアコン自体はそのまま使い続けられることがほとんどです。

しかし、エアコンの水漏れを放置していると、以下のような問題が起きてしまうこともあるので十分気をつけましょう。


・イヤなニオイが起きる


エアコンの水漏れをそのままにしていると、エアコンから悪臭が吹き出すようになるかもしれません。

ドレンホースの詰まりによってエアコンの水漏れが起きている場合、ホース内にはホコリやカビがヘドロ状に混ざりあったものがどんどん蓄積してしまいます。

この汚れを放置するとホース内で雑菌が繁殖し、次第に悪臭が強くなっていきます。すると、エアコンの風や水漏れ箇所にも悪臭が混ざりやすくなってしまうのです。

エアコンからの悪臭が続くと体調不良を引き起こす可能性もあるので、早めに対処しましょう。


・室内の床や壁が劣化する


エアコンから垂れた水は、床や壁をどんどん濡らしてしまいます。その都度床や壁を掃除するのは手間がかかりますし、拭き上げが行き届かず不衛生な状態になってしまう可能性も考えられます。

水漏れを放置していると建材はどんどん傷み、建物の見た目が悪くなってしまいます。腐食によって大掛かりな修繕が必要となり、高額な費用がかかってしまうこともあるかもしれません。

水漏れによって建物の基礎が腐ってしまった場合、大きなトラブルに発展する恐れもあるため、早めに対処しておくのが安心です。


・漏電事故が起こる可能性がある


オフィスや会議室など、業務用エアコンを設置している場所によっては多くの電源が使用されています。業務用エアコンの水漏れを放置したことで電子機器や電源が濡れてしまうと、漏電や故障につながりかねません。最悪の場合、火災の原因になることもあるでしょう。水と電気の接触は避けたいため、コンピューターや通信機器など、被害を受けやすい重要な電子機器を業務用エアコンの周辺に並べている場合は、配置を見直してください。また、エアコンの真下は水漏れによる被害を受けやすいからといって電子機器を固めてしまうと、電源を取る位置が重なってタコ足配線になってしまい、危険です。


業務用エアコンの水漏れを放置することで起きる影響は深刻であるため、速やかに専門家に連絡し、適切な対策を行っておきましょう。



■エアコンの水漏れ予防には保守点検が大切!



保守点検を行う目的


保守点検を行う最大の目的は、設備や機器に生じた故障の早期発見です。故障によってエアコンの稼働が止まってしまえば、室内の快適性は一気に失われてしまいます。特に多くのテナントが入ったビルでは、故障が長期化することで広範囲に影響が及びます。

また、故障の前兆に気づくことも保守点検の重要な目的のひとつです。定期的に保守点検を行うことで、エアコンの異音や異臭に気づき、故障を未然に防げるケースも少なくありません。

故障の前兆や故障の早期発見により、事故につながるリスクを低減し、室内にいる人の安全性を確保することも保守点検の目的です。


保守点検によって得られるメリット


保守点検の実施にはさまざまなメリットがあります。エアコンの保守点検によって得られる主なメリットは次のとおりです。


エアコンの耐用年数が長くなる


適切な保守点検により、故障を未然に防ぐ、もしくは迅速に修理が行えるようになります。その結果、エアコンの耐用年数を延ばせる可能性が高まります。長期的に見てエアコンの買換えコスト削減にもつながります。


室内の衛生管理にかかる手間やコストが軽減する


保守点検は、室内の衛生管理にかかる手間やコスト軽減につながります。エアコンに不具合が生じると、場合によっては異臭や水もれといったトラブルが起きる可能性があります。異臭や水もれは、衛生管理面で重要な問題であり、室内にいる人の快適性も奪ってしまいます。

しかし、適切に保守点検を行えば、不具合が起きるリスクが軽減され、室内の衛生管理にかかる手間やコストの軽減、快適性維持が実現します。


エアコンの法定点検への対応が可能になる


フロン類を冷媒に使用している業務用エアコンは、3ヵ月に1回以上の簡易点検と、圧縮機定格出力の大きさに応じて1年、または3年に1回以上の定期点検が、フロン排出抑制法により義務付けられています。定期的に保守点検を行うことで義務の遂行にもなります。


ビルメンテナンス担当者の業務効率化が進む


エアコンも含め、ビル内の設備や機器は、故障箇所によっては修理に相応の期間を要するケースも少なくありません。故障が長期化すれば、ビルメンテナンス管理者にかかる負担も大きくなります。

保守点検を適切に行うことで故障を未然に防げば、ビルメンテナンス管理者の業務負担を軽減できます。また、故障が起きた際も軽微な問題で解決する可能性が高まります。迅速な問題解決が可能になれば、メンテナンス業務の効率化も進むでしょう。



■万が一の不具合に備えて、保守点検を大切に!



エアコンのトラブルも様々ございますが、今回は水漏れに焦点をあてて紹介してきました。エアコンの不具合は日常生活やビジネスにも大きな影響を与えてしまいかねません。今回紹介させて頂いた不具合の他にも様々な不具合が発生することがある為、万が一に備え保守点検を欠かさずおこない、予期せぬトラブルに万全の準備を整えておきましょう。


英和商工株式会社は、空調に関する診断や施工、アフターフォローまでをワンストップでサポートする会社です。当社ではさらに、空調機には欠かせないフィルターの卸業務も手掛けています。

当社はさまざまなサイズや大きさのフィルターを取り揃えているため、ほとんどの形状に対応可能です。異なるメーカーであってもサイズに合わせて対応できますので、メーカーを問わずお気軽にご相談ください。


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