エアコンからぬるい風が出るのはなぜ?原因からリセットの手順、対処法を解説

2023年の夏は、全国的に平年より暑い日が続き、熱中症のリスクが高い日々が続きました。熱中症警戒アラートも頻発する「危険な暑さ」の中、ご自宅では、健康を保ち、熱帯夜の中良質な睡眠を確保するためにもエアコンをフル稼働しての対策が欠かせません。真夏日が続く中、エアコンに不具合が起きると生活に大きな支障が生じてしまいます。

エアコンの不具合として「エアコンからぬるい風しか出てこなくなる」事例は多くみられる症状です。エアコンに不調が見られると、故障してしまったと慌ててしまいがちですが、「エアコンからぬるい風が出てくる」症状の場合、ご自身で対処できる場合があります。

そこで今回は、エアコンからぬるい風が出る原因やご自身できる対処方法を紹介します。




■エアコンからぬるい風が出る原因



エアコンからぬるい風が出てくるようになる主な原因について紹介します。



・フィルターの汚れ

エアコンのフィルターにほこりが溜まっていたり、カビが生えてしまったりといった原因で、フィルターが目詰まりしてしまうと空気がスムーズに循環しづらくなるため、ぬるい風が出てくることがあります。

また、エアコン内部にある熱交換器に、ほこりが付着して目詰まりを起こしているケースもあります。



・室外機の環境

エアコンの室外機の周囲に物を置いている場合やカバーを外し忘れたまま使っていた場合、空気の流れ道がふさがれてしまい、熱交換がうまくいかなくなる場合があります。また、室外機に直射日光が当たる環境での場合、室外機本体が高熱になりすぎることがあります。その場合も熱が放出されづらく、熱交換の効率が下がってしまいます。



・冷媒ガスの漏れ

冷媒ガスは、エアコン内部で空気中の熱を吸収したり放出したりすることで、室温を上げ下げする役割をしています。冷媒ガスを通す配管が経年劣化して破損することや、接続部が腐食してガス漏れを起こす事例も多くあります。室外機の配管接合部や室内機の内側に霜がついた場合は、冷媒ガスが漏れている可能性が強いので、専門業者に点検修理を依頼しましょう。



・設定ミス

リモコンに誤って触れて気づかぬうちに設定が変わっていることが原因だったことも意外と多いものです。省エネ設定や送風モード、除湿モードになってしまっていたり、温度設定が変更されてしまったりといったケースです。室温よりも設定温度が高い場合、自動で送風モードに切り替わる機種もあります。



・制御装置の不具合

エアコン本体の制御装置の不調による場合、ご自身で対処できる場合があります。対応方法について下記で紹介します。




■エアコンがぬるい風しか出ないときは本体をリセットすると直る事も



制御装置の不具合の場合、エアコン本体をリセットすれば、なおることもあります。故障していると決めつけて修理を依頼する前に、まずはご自身で対処してみましょう。エアコン本体のリセット方法は下記のとおりです。


① エアコンの電源をOFFにする

② 電源コンセントを抜く

③ 約1分後に電源コンセントを差し直す

④ エアコンの電源をONにする


エアコン本体にもリセットボタンが設置されていますが。これは再起動のためのボタンです。そのため、リセットボタンを押すだけでは解決しないことがほとんどです。本体をリセットするためには電源コンセントを抜き差しする必要があります。

※エアコンのリセット手順は、メーカーや機種によって異なる場合があります。基本的にはコンセントの抜き差しでリセットできることが多いですが、詳しくはご使用のエアコンの取扱説明書をご確認いただくか、メーカーのサポートにお問い合わせください。




■エアコンがぬるい風しか出ないときの対処法


エアコン本体のリセット以外に、ご自身でできる対処方法について紹介します。



・フィルターの掃除をする

室内機のフィルターは2週間に1回、詰まったほこりを落とすなど掃除するようにしましょう。フィルターが詰まってしまうと冷気が通りづらく、効率が落ちてエアコンの効きが悪くなりがちです。

また、フィルターが汚れていると、異臭やカビの原因となります。カビのついたフィルターを通った空気が室内に送風されるとアレルギーを引き起こす原因になります。

その他、1~2年に一度は専門業者でクリーニングを行って、熱交換器の内部などの汚れもすっきりさせておきましょう。



・室外機の掃除や周辺の片付けをする

エアコンノ室外機は、年に1度は付着したゴミを取り除くなど掃除しましょう。室外機の周囲に空気の流れを遮るものがあると空気が循環しづらくなります。 周囲に物を置く場合、最低30㎝以上離すように注意しましょう。直射日光を避けるには、空気の流れを遮らずに日陰を作ることのできる「すだれ」などの設置がおススメです。すだれを設置する場合も30㎝以上の隙間を空けるようにしましょう。



・リモコンをリセットする

まずは、設定内容が変わってしまっていないかを確認し、一旦最低温度で設定して運転してみましょう。

除湿や省エネモード、高い温度設定に設定したタイミングでリモコンが故障してしまうと、その状態のままで運転が続いている場合もあります。リモコンのリセット方法は、電池をいったん外して、リセットボタンを押すことです。お使いの機種によってはリセットボタンが設置されておらず、ボタン操作でリセットするタイプもあるので、取扱説明書を確認しましょう。



・買い替えを検討する

エアコンの一平均使用年数は12~13年と言われており、10年程度で経年劣化による故障が増え始めます。10年以上たっているエアコンは故障してしまう前に買い替えを検討することもおススメです。

早期での買い替えがおススメな主な理由について紹介します。



・設置から年数が経つと修理できない場合がある

修繕用の部品製造の保持期間はメーカーによって決まっています。廃盤機種では、修繕に必要な部品が準備できない場合もあります。



・修理費用が高くつく場合もある

修理費用は2万円前後であることが多いですが、不具合部位や必要な部品によっては10万円ほどかかる場合もあります。また、部品の取り寄せ日数が掛かりエアコンが使用できない日が続くこともあります。



・故障して使えなくなっても、すぐに買い替えできない場合が多い

繁忙期の場合、工事の予約がとれないケースや希望機種が確保できないケースも多いです。工事まで数週間から1ヶ月以上待たなくてはならないことも考えられます。



・性能の高い最新機種に交換すると、光熱費削減が可能

今発売されている機種は、少ないエネルギーで効率よく室温を下げる商品や、自動お掃除機能が付帯していてお手入れが簡単な商品など様々な機能を持っています。

また、お部屋の広さとエアコンのサイズが合っていない場合、部屋の温度が下がるまでに時間がかかってしまうなど無駄な光熱費が掛かってしまうので、買い替えに合わせてエアコン容量を見直すこともおススメです。




■まとめ

エアコンからぬるい風が出てくる場合の原因やご自身でできる対処方法について紹介しました。今回紹介した内容を試してみて、改善しない場合は専門業者へ相談しましょう。

また、連日猛暑が続く中で、エアコンの故障は熱中症を引き起こすなど、命や健康に関わる危険性もあります。設置されているエアコンが10年以上経過している場合は、早めの修理や買い替えを検討して、快適に夏を乗り切りましょう。


英和商工株式会社では、オフィスビルや飲食店・商業施設、工場、病院・研究施設など、あらゆる施設における空調設備のメンテナンス・工事を行っているスペシャリストです。個人宅用エアコンの取り付け、取り外しや不具合が頻発しているなど、エアコンに関する様々なお悩み事をお持ちの場合はお気軽にご相談ください。