空調機に欠かせないエアフィルターの交換時期は?種類ごとのメンテンナンスの目安や、目詰まりのリスクを紹介!

皆さんこんにちは。大阪・東京・中四国に拠点を置き全国の空調設備のメンテナンス及び工事を請け負っている英和商工株式会社です。


前回の記事では、エアコンフィルターの種類や用途など、基礎知識についてご紹介しました。

エアフィルターの基礎知識!エアコンフィルターの種類と用途をご紹介


今回は、それぞれのフィルターをどの程度の頻度でメンテナンスしたら良いのか、具体的な目安について解説します。




■エアフィルターのメンテナンスについて


空気中には、微小粒子やガス状汚染物質など、さまざまなゴミが含まれています。エアコンの性能を発揮するためには、エアフィルターのメンテナンスを定期的に実施し、空気中のゴミをしっかりと吸着・除去できるようにしておくことが必要不可欠です。


ダイキン工業・日本空調メンテナンスなどの空調機器メーカーでは、フィルターの種類ごとで目安となる交換時期を公表しています。具体的な交換時期は後述しますが、交換の目処を1年とするものや、6か月から1年の間の定期交換を推奨しているものなど、フィルターによって異なります。空気環境の良い場所に設置された室内循環型のエアコンであれば、3年から5年の定期交換でも問題ないとされています。


エアコンを設置する環境や条件によって、フィルターの汚染度は変わってきます。適切な時期にフィルターのメンテナンスを行い、空気を清潔に保つことが重要です。



・フィルターの交換頻度を測るための圧力損失とは

圧力損失とは、フィルターをある処理風量で使用した時に、フィルターの入り口にかかる圧力(上流側静圧)と出口にかかる圧力(下流側静圧)の差(低下値)を指します。単位はPa(パスカル)で表され、微差圧計を用いて計測します。


新品のフィルターに風量を流した時の圧力損失は、「初期圧力損失」と呼ばれます。エアコンを使用し、フィルターにホコリがたまるにつれ、ホコリが抵抗となって空気が流れにくくなり、徐々に圧力損失が上昇する仕組みです。圧力と損失の限界値は「最終圧力損失」と呼ばれ、数値は各メーカーが定めています。


最終圧力損失を超えたまま使用していると、性能保証対象外となってしまいます。定期的に圧力損失を測定し、適切に管理しましょう。




■エアフィルターの種類ごとのメンテナンス目安



ここからは、エアフィルターの種類ごとのメンテナンス目安を解説します。ただし、目安の時期より前であっても、エアフィルターに汚れが溜まったり性能が低下したりした場合は、早めのメンテナンスをおすすめします。



・粗塵フィルター(一般再生型/プレフィルタ)

粗塵フィルターのうち、一般再生型と呼ばれるものの中には、不織布を素材とした製品があります。5~6回程度洗って使うことができますが、ろ材が傷んでろ過性能が低下したらメンテナンスが必要です。



・粗塵フィルター(非再生型/プレフィルタ)

粗塵フィルターには、ガラス繊維を素材とした製品もあります。これは洗浄ができない非再生型(使い捨て)であるため、その都度メンテナンスが必要です。比較的小さな粒子を捕集するタイプのフィルターも、洗浄再生はできず、都度メンテナンスが必要となります。



・中高性能フィルター

中・高性能フィルターは、電気を帯びた高分子誘導体が材質に使われており、静電気の力で花粉やチリをフィルターに捕集します。このため水洗い洗浄ができず、使い捨てとなります。


フィルターのメンテナンス時期は、エアコンの送風能力によって異なります。先ほど解説した圧力損失の値が、使い始めの値の1.5倍になると、メンテナンス時期を迎えた目安です。通常使用においては、1年に1回のメンテナンスが必要です。送風能力に余力があれば、最終圧力損失値まで使用できますが、このためには強い送風動力が求められます。



・ULPAフィルター/HEPAフィルター

ULPAフィルター(超高性能フィルター)は、半導体工場など優れた空気環境が求められる現場で使われています。・HEPAフィルター(高性能フィルター)は、クリーンルームにおけるエアフィルターや空気清浄機に使われています。


これらのフィルターは、6か月~1年ごとの定期的なメンテナンスが推奨されています。HEPAフィルターは、給気環境が良好であれば3年から5年でのメンテナンスでも問題ありません。


HEPAフィルターの中には、半永久的に使用可能と表記されたものもありますが、実際には寿命があるため注意が必要です。フィルターの寿命は、使用環境・フィルターの厚さ・使用機器の性能などにより変わってきます。



・ケミカルフィルター

吸着剤を使って、酸性ガス・有機ガス・アルカリ性ガスなどの有害ガスや化学物質を除去するフィルターです。埃や塵を捕集しておらず、圧力損失値は測定できません。メンテナンス時期は、吸着剤をサンプリングして分析し、検証した推定寿命をもとに判断します。




■フィルターの目詰まりが引き起こす問題とは



目詰まりしたエアフィルターを使い続けると、圧力損失が著しく増加する原因となります。さらに、風の流れが悪くなることで運転効率低下の原因となり、エアコンの能力も下がってしまいます。室内の気圧が下がると外気が侵入しやすくなり、温度調整に余分な電気と時間がかかってしまうのです。この結果、オフィス環境の快適性も損なわれます。最悪の場合、空調機が故障する可能性もあるでしょう。


また、目詰まりしたエアフィルターの内部には、塵や埃が蓄積しています。これらを栄養源としてカビや菌が増殖し、塵や埃とともに室内へ再飛散されるのです。空気が汚れると室内環境の悪化にもつながり、健康被害が発生する可能性も否定できません。


フィルターの目詰まりが始まったら、 フィルターの種類に合わせたメンテナンス方法を行うようにしましょう。




■まとめ

業務用エアコンのフィルターは、使用状況やフィルターの汚れ具合などにより、適切なタイミングでメンテナンスが必要です。メンテナンスのタイミングに迷ったら、専門業者へ相談し、アドバイスを受けましょう。


業務用エアコンのメンテナンスは、英和商工株式会社にお任せください。弊社は、1969年の創立以来、オフィスビル・飲食店・商業施設・工場・医療施設など、幅広い施設で空調機器等の設備メンテナンス・更新工事を請け負っている会社です。お客様にご依頼をいただいてから、現場の調査・施工・アフターフォローまでワンストップで対応いたします。これにより、お客様とのコミュニケーションがスムーズにできるうえ、コスト削減も可能です。


また弊社では、エアフィルターの卸業務も手掛けております。様々なサイズや大きさを取り扱っており、ほとんどの形状に対応可能です。異なるメーカーであっても、サイズに合わせて対応いたしますので、設置場所に合ったエアフィルターのご相談も承ります。


弊社は、首都圏・近畿圏・中四国エリアに拠点がございますが、 その他のエリアもお気軽にお問い合わせください。エアフィルターをはじめとする 空調設備のご相談を希望される 担当者様がいらっしゃいましたら、まずは英和商工株式会社へご連絡ください。