エアフィルターの基礎知識!エアコンフィルターの種類と用途をご紹介  

皆さんこんにちは。大阪・東京・中四国に拠点を置き全国の空調設備のメンテナンス及び工事を請け負っている英和商工株式会社です。


業務用エアコンの性能を維持し、室内の空気環境をきれいに保つために、エアフィルターが重要な役割を果たしています。エアフィルターは、種類ごとで特徴や用途が分かれており、エアコンの設置場所に合ったエアフィルターを選ぶことが大切です。


今回は、エアフィルターの種類と用途について詳しくご紹介します。




■エアコンのエアフィルターとは?



エアコンのエアフィルターとは、空気中に含まれる汚染物質を取り除き、空気環境をきれいに保つための部品です。汚染物質には、ガス・塵・埃・花粉・タバコの煙・ウイルスなどが含まれており、エアフィルターを使わずにエアコンを稼働させると空気が汚染されたまま室内へ拡散してしまいます。エアフィルターを使うことで、空気環境をきれいに保ち、社員の安全衛生と製品の品質保持の両方が可能となります。


建築物内における粉塵量は、ビル管理法で定められており、基準を満たすには空調設備機器の維持管理が重要です。空調設備機器には、冷暖房を行う業務用エアコンが含まれるため、エアフィルターはビル管理法を守るために大きな役割を持つ部品なのです。




■エアフィルターの種類と用途



エアフィルターは、設置場所や用途によって適した種類があり、それぞれ特徴も異なります。汚染物質は、粒子ごとでサイズが異なるため、除去したい汚染物質によってエアフィルターを使い分けることが重要です。ここからは、エアフィルターの種類と用途を解説しますので、場所や用途に合ったフィルターを選ぶようにしましょう。



・粗塵用プレフィルタ

空調設備で、外気が最初に通るフィルターです。比較的大きなゴミや粒子を捕集し、内部に設置されているメインフィルターの能力を高めるために必要です。抗菌防臭タイプや低圧損タイプなどがあります。


形状も、パネルタイプやロールタイプなど多彩であり、設備に合ったフィルターが使われます。業務用エアコンの性能を保つためには、粗塵用プレフィルターの定期的なメンテナンスが欠かせません。



・中高性能エアフィルタ

フィルターの材料に、電気を帯びた高分子誘導体を使用しています。静電気の力で、細かい花粉や塵を捕集できる特徴があります。


用途に合わせて、長寿命・多風量・塩害・薄型など、さまざまなフィルターがあります。抗菌・殺菌、酵素、超低圧力損失、環境に配慮したろ材交換型、洗浄可能型など、ニーズに合わせて選択可能です。



・高性能エアフィルタ

高度な清浄環境に欠かせないフィルタであり、超ULPA・ULPA・HEPA・準HEPAなどのラインナップがあります。


ULPAフィルタは、ウイルス・微生物・化学物質などの微細な粒子を99.9995%以上除去可能です。HEPAフィルタでは、ダニの排泄物や塵など、0.3マイクロメートルの粒子を99.97%以上除去でき、空気中のアレルゲンを大幅に除去できます。



・耐熱エアフィルタ

最高500度までの高温環境での使用に耐えうる、特殊構造のフィルタです。0.5~1マイクロメートルの粒子を90%以上除去でき、高温の環境でも発塵が少ない性能を発揮します。半導体関連のクリーンオーブンや、焼却炉などの最終フィルタに使われています。



・ケミカルフィルタ

化学物質や、酸性ガス・有機ガス・アンモニアなどの有毒ガスを吸着できるフィルタです。ろ材は、不織布で粒状活性炭を挟み込んで作られています。活性炭が、高い能力で有毒ガスを吸着し、きれいな空気を保ちます。




■業務用エアコンのフィルターを交換しないとどうなるのか



業務用エアコンのフィルターを適切な時期に交換せず、そのまま使っていると、以下のようなリスクが高まります。



・エアコンの効きが悪くなり電気代が高くなる

フィルターを交換せずにそのまま使うと、塵や埃などの物質で目詰まりしてしまいます。これによって空気の流れが滞ると圧力損失が起き、エアコンの運転効率が低下します。


設定温度になるためには、エアコンの稼働に多くのエネルギーを要するため、結果として電気代が高くなってしまうのです。さらに、エアコンに必要以上の負荷がかかり、エアコンの寿命が縮まるおそれも考えられます。業務用エアコンを頻繁に交換することは難しいことから、エアコンの寿命を保つにはフィルターの適切な交換が欠かせません。



・健康被害の発生リスクが高まる

フィルターが汚れるにつれ、塵や埃に混ざってカビやダニなども蓄積されます。エアコンの内部は、結露による湿気や汚れが多く、カビが繁殖するのに最適な環境です。


エアコンの風が、汚れたフィルターを通って外部へ流れると、風と一緒にカビやダニも放出されてしまい、アレルギー原因物質が室内に広がってしまうのです。その結果、アレルギー症状や不快な臭いが発生するようになり、ひいては健康被害にもつながりかねません。


企業は、職場環境配慮義務への対応が必要であり、室内環境や作業環境を快適に保つこともそのひとつです。エアコンによる健康被害を防ぐよう、適切な対応が求められます。




■業務用エアコンのフィルターメンテナンス時期は1年に1回程度



業務用エアコンの性能を発揮し、効率的な運転を続けるためには、フィルターのメンテナンスが重要です。業務用エアコンのフィルターメンテナンス時期は、一般的に1年に1回程度が目安と言われています。


ただし、エアコンは、設置環境によって劣化度合いや寿命が大きく変わってきます。エアコンの稼働状況や設置環境などによっては、これよりも早いタイミングでのメンテナンスが必要です。人の出入りが多い場所に設置している・利用環境に埃がたまりやすい・エアコンを終日稼働しているなどの場合は、早めのフィルターメンテナンスを心がけましょう。日頃から、エアコンの稼働具合をチェックし、少しでも気になる箇所があれば専門業者に問い合わせると安心です。




■まとめ

職場環境を快適に保つには、設置場所や使用環境に合った性能を持つフィルターを業務用エアコンに設置することが大切です。業務用エアコンのフィルターは、最低でも1年に1回メンテナンスしましょう。


ただし、今回紹介したように、適切な交換のタイミングはエアコンの使用頻度や状況によって異なります。交換の時期に迷ったら、早めに専門業者へ相談すると安心です。


英和商工株式会社では、オフィスビル・飲食店・商業施設・工場・医療設備など、幅広い施設で空調機器の設備メンテナンスや更新工事を施工しています。業務用エアコンのフィルターに関する交換などのお問い合わせがございましたら、お気軽にご相談ください。


また、弊社では空調機には欠かせないフィルターの卸業務も手掛けています。各種メーカーの定型品だけでなく、様々なサイズや大きさを取り揃えております。用途に合わせて、仕様やサイズのご提案・販売・取り替え作業もお受けできるため、ほとんどの形状に対応可能です。異なるメーカーであってもサイズに合わせて対応いたします。首都圏・近畿圏・中四国エリアに拠点がございますが、その他のエリアのお客様もお気軽にお問い合わせください。