HEPAフィルターとは?花粉やウイルスから身を守るHEPAフィルターの性能と用途の基礎知識

皆さんこんにちは。大阪・東京・中四国に拠点を置き全国の空調設備のメンテナンス及び工事を請け負っている英和商工株式会社です。


クリーンルームの室内や病院などでは、空気をきれいに保つためにさまざまな機器が稼働しています。機械に使用するフィルターは、粒子を捕集するために高い性能が必要ですが、その中でもHEPAフィルターは高性能フィルターとして多くの場面で用いられています。


この記事では、HEPAフィルターの性能や用途について詳しく解説します。




■HEPAフィルターとは?



HEPAフィルター(HighEfficiencyParticulateAirFilter)は、日本語で高性能エアフィルターをさしており、空気清浄機など家庭用電気機器にも多く用いられているフィルターです。


HEPAフィルターの定義として、日本では、JIS(日本産業規格)において「定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率を有しており、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルター」(1μm=1マイクロメートル=1mmの1,000分の1)と規定されています。



〇HEPAフィルターで捕集できる物質は?

先ほど、JIS規格ではHEPAフィルターで捕集できる粒子の大きさが0.3μmであると解説しました。HEPAフィルターを搭載した機器で、実際に捕集する粒子の大きさと比較してみましょう。



⇒スギ花粉

花粉症を引き起こす代表的な原因であるスギ花粉の大きさは、30~40μm程度です。このため、HEPAフィルターで粒子を捕らえることができます。



⇒ハウスダスト

ハウスダストは、肉眼では見えにくい1mm以下のほこりです。具体的には、ダニの死骸やフン・カビ・衣服などから出た繊維クズ・タバコの煙などが該当します。


ハウスダストの大きさは10~30μm程度とされており、HEPAフィルターでキャッチできると考えられます。



⇒PM2.5

微小粒子状物質とも呼ばれ、黄砂や自動車の排気ガスなどが原因で発生します。呼吸器系疾患や肺がんのリスクの上昇や、循環器系の影響などが懸念される物質です。名前にもあるように大きさは2.5μm以下であり、これは髪の毛の太さの30分の1となっています。他の物質に比べ小さめであるものの、HEPAフィルターは通過できません。



⇒ダニ

アレルギーの原因となるダニは、200~300μm程度の大きさであり、HEPAフィルターで捕集可能です。



⇒細菌

種類によって異なるものの、細菌の大きさは1~10μm程度です。このため、HEPAフィルターの隙間を通れず、しっかりと捕集できます。


このように、HEPAフィルターを搭載した機器は、空気中に含まれる物質の多くを捕集できると考えられます。人体に悪影響を及ぼす粒子を捕集し、空気をきれいに保つために、HEPAフィルターの高性能が大きな効果を発揮するのです。




■HEPAフィルターはどんなところで使われている?


高性能フィルターであるHEPAフィルターは、空気中の微粒子による汚染を防ぐべき場所で広く使われています。特に多く使われているのは、以下の場所です。



・クリーンルーム用フィルター

クリーンルームは、きれいな空気を供給するために、専用のパーテーションで作られた清浄な空間です。半導体や電子機器などを製造する工場では、製造工程において製品に微粒子が付着すると、製品が不具合を起こす原因となります。微粒子による汚染を徹底的に防ぐ必要があるため、HEPAフィルターの使用が必須です。



・病院

病原菌による感染の拡大防止を目的として、クリーンルームのほかに手術室・隔離室・集中治療室の天井にHEPAフィルターを装備しています。これにより、ウイルスや細菌などの微粒子を効果的に捕集できます。



・家庭用掃除機フィルター

高品質な家庭用掃除機の中には、HEPAフィルターを採用している商品もあります。掃除機から排気される空気中に含まれる有害物質を除去し、有害物質が室内に広がるのを防ぎます。




■HEPAフィルターの寿命はどのくらい?



HEPAフィルターは捕集性能が高いものの、半永久的に性能が続くわけではありません。気密となっているHEPAフィルターは、使用するにつれ汚れや経年劣化で効果が下がるだけでなく、使用中に破損する可能性もあります。使用環境によっては、多くの微粒子を捕集するため、フィルターの交換が10年間交換不要と書かれている製品であっても、より短い時間で交換が必要になることも珍しくありません。


定期的にメンテナンスを実施する事により、設備全体の性能を維持すると共に適切なフィルター交換時期をご提案する事が可能です。


この記事で解説してきたように、HEPAフィルターは空気清浄機やクリーンルームなど、さまざまな場所で用いられている高性能フィルターです。使用状況や環境によって交換時期が異なるため、交換時期を守らないとフィルターの捕集効果が得られなくなってしまう可能性があります。


英和商工株式会社は、空調工事に関する診断・施工・アフターフォローまでワンストップでサポートしております。さらに、空調機には欠かせないフィルターの卸業務も手掛けています。さまざまなサイズや大きさを取り揃えているため、ほとんどの形状に対応可能です。異なるメーカーであってもサイズに合わせて対応できますので、メーカーを問わずお気軽にご相談ください。


長年フィルターを交換していない・フィルターにほこりが詰まっているなど、HEPAフィルターの交換に関するご相談がございましたら、ぜひ英和商工株式会社にお問い合わせください。