皆さんこんにちは。大阪・東京・中四国に拠点を置き全国の空調設備のメンテナンス及び工事を請け負っている英和商工株式会社です。
冷媒ガスは、エアコンをはじめとして、冷蔵庫や冷凍庫などを稼働させるために欠かせない物質です。しかし、オゾン層を破壊し地球温暖化につながることから、古い冷媒ガスは世界的に規制対象となっています。
製造から長期間経過しているエアコンには、冷媒ガスが使われていますが、古いエアコンを使い続けると大きな問題が発生します。この問題とは何なのか、使い続けるデメリットや冷媒ガスに変わる物質について、この記事で解説します。
■そもそも、「冷媒ガス」とは?
冷媒ガスとは、熱を運ぶ役割を果たす物質です。気化熱と凝縮熱の働きを利用し、エアコン・冷蔵庫・冷凍庫などの内部で循環することで、空気を冷やしたり温めたりします。
冷媒ガスは温度と圧力によって状態が変化するのが特徴です。 常温では気体ですが、 密閉状態で圧力をかけると高温・高圧の気体に代わり、周囲に熱を放出することで常温・高圧の液体に変わります。
反対に、 圧力を下げると低温・低圧の液体に代わり周囲から熱を奪う事で低温・低圧の気体に変わります。
冷媒ガスのうち、最も多く使われているのはフロンガスであり、炭素とフッ素の化合物であるフルオロカーボンをさしています。フロン以外に、アンモニア・プロパン・CO2なども冷媒ガスとして使われている物質です。
・冷媒ガスの種類
冷媒ガスの種類には、CFC(クロロフルオロカーボン)・HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)・HFC(ハイドロフルオロカーボン)などがあります。このうち、CFCとHCFCは旧冷媒と呼ばれ、オゾン層を破壊する原因のひとつとされているため、世界的に規制が進んでいる種類です。
CFC系の冷媒ガスであるR11・R12・R502などは、特定フロンとして1955年に生産が中止され、1996年に全廃されました。HCFC系のR22・R123・R141Bなどは水素を含むため、オゾン層に対する影響はCFC系よりも比較的小さいとされていますが、2020年に生産ができなくなっています。
これらの中止は、1987年のモントリオール議定書(政府間国際協定)・1988年のオゾン層保護法に基づくものです。オゾン層保護法により、1996年までに特定フロンが15種類全廃されました。
オゾン層が破壊されると、紫外線が地上まで直接降り注ぎ、免疫力低下や皮膚ガンの増加リスクが高まります。さらに、微小生物の減少により食物連鎖が崩れることが分かっており、植物育成にも影響が及ぶのです。これらが原因となり、深刻な食糧危機を引き起こす恐れがあるといわれています。
■R22冷媒(HCFC)は2020年で生産終了
HCFCのひとつであるR22は、常温で安定した性質を持ち、冷凍能力が高いうえ冷媒の容量が少ない点が大きな特徴です。15年以上前に生産されたエアコンは、R22冷媒の使用が主流でした。
大手空調メーカーでは、1999年から2000年頃にかけてR22冷媒に対応したエアコンの製造を中止しました。2020年で、R22冷媒の対応機種は生産が完全に終了されましたが、生産量自体は2015年に6割削減されていました。現在では生産終了から数年経ち、入手が困難となっています。
・R22冷媒を使っているか確かめる方法とは
現在使っているエアコンが、R22冷媒を使っているか確かめるには、室外機の銘板に書かれた冷媒欄をチェックしてみましょう。また、2000年よりも前に製造されたエアコンも、R22冷媒を使用している可能性が高い機種です。どちらも分からない場合は、専門業者へ問い合わせることをおすすめします。
■「R22」冷媒の代替は?
R22冷媒が廃止になったのち、環境への負担が少ない冷媒・HFCが使われるようになりました。その中でも、R32・R410Aなどの新冷媒が広く使われています。これらの冷媒は新代替物質と呼ばれ、塩素を含まずオゾン層破壊係数が0であり、地球に優しい物質です。
特にR32は、R410Aに比べ地球温暖化係数がおよそ1/3となっており、京都議定書の削減目標に対する効果も確認されています。現在使われている業務用パッケージエアコンの大半は、R32冷媒へと移行しているのです。
・R32冷媒のメリットとは
R32冷媒は、先述したようにオゾン破壊係数が0であり、地球温暖化係数も大幅に少なくなっています。安全性が高いうえ熱伝導率が大きく、効率的にエアコンを稼働できます。
R410Aは、R32とR125の混合ガスであり、再充填が必要な時は全ての冷媒を回収する必要があります。一方、単一冷媒であるR32は、冷媒を回収する必要がなく、作業を効率よく進められる点も、R32冷媒の大きなメリットです。
但し、冷媒充填については、いくつかの基準が有り、繰り返し充填の禁止、やむを得ない場合は60日以内に修理可能ならば、一回限りで充填できる等、条件があります。(フロン排出抑制法)。
冷媒は、以前は安全性の高さや熱移動効率の良さが重視されていましたが、近年では環境性も重視されるようになっています。バランスの取れた冷媒がR32であり、現在広く普及しているのです。
■エアコンの冷媒R22を使用し続けるリスク
R22冷媒を搭載しているエアコンも、ガス漏れや故障がない限りは、そのまま使っていただくことができます。しかし、部品の調達も難しく、調達できたとしても大きなコストがかかります。これらの理由から、修理費用が高額になる・修理時期が伸びるといったリスクがあります。
また、R22冷媒を搭載したエアコンは、稼働にかかる電力も大きくなっています。R32冷媒に比べ、R22冷媒は消費電力が3倍となり、電気代も多くかかります。エアコン自体はまだまだ使えるとはいえ、余分な電気代がかかるのは気になる担当者の方も多いでしょう。
※引用:ダイキン工業 <試験条件>東京電力低圧電力契約にて従量料金のみの試算
業務用エアコンの故障原因として、ガス漏れが非常に多くなっていますが、現在(全国的に)在庫が有るためガスを補充出来ます。
最新のエアコン機器に更新すると、故障のリスクを軽減できるだけでなく、省エネにより電気代の削減も実現します。R22冷媒を搭載したエアコンを使っている事業者様は、故障する前にエアコンの更新をおすすめします。
エアコンの更新工事を検討されている事業者様は、英和商工株式会社までお気軽にお問い合わせください。
英和商工株式会社では、 オフィスビル・飲食店・商業施設・工場・医療施設など、 多様な施設で空調機器等の設備メンテナンスや更新工事を行っています。1969年の創業以来50年の歴史を持ち、豊富な経験や実績から現場に合った施工方法をご提案いたします。エアコンを安全にお使いいただくため、施工後の年間保守点検プランもご提案しておりますので、ご要望の事業者様はぜひお申し付けください。
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